JUNKO KURATA
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その卵、どうする?

2/19/2023

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うちでは朝食にオムレツを作ることが多く、卵を一人1日1個というペースで使っている。そのため、ほぼ1週間で1パック消費する。
 
これは卵にまつわるエピソード。
 
食品の放射能レベルをチェックし、化学調味料無添加の食品、有機・無農薬または減農薬の野菜を扱い、地産地消を目指す「あいコープ」という宅配専門の生活協同組合に、私は仙台へ来てまもなく加入し、既にあった官舎内のグループに入れてもらった。
 
アメリカでは長年ナチュラル志向の生活をしていたため、仙台でも良質で安全な食品が手に入るのは有り難いことだった。
 
カタログから食品を注文し、グループで受け取るという仕組みで、注文品は隣の階段下に毎週配達される。
 
数年前のある日、配達された品物を取りに隣の階段へ行ってみると、積み上げられた宅配箱の横に、平たく大きな段ボールの箱が置いてあり、「卵」と書いてあった。
 
グループの誰かが頼んだのだろう。
 
「ダレや、こんなにたくさん卵を頼んだのは。店でも開くつもりか、それともPTAの行事で何かするのか?」と私は心の中で呟いた。
 
箱には名前が貼ってあり、見ると「倉田順子様」と書いてあるではないか!
 
「ウソっ!どういうこと??」
というのが最初の反応だった。
 
私のいつもの10個パックはどこにもない。
 
段ボール箱を前に、唖然とした。
何かの間違えでは??
 
配達明細書を見てみると、「卵3キロ」と書いてある。
 
「3キロォ〜?」
 
これはジョークか。それとも、機械が注文書を読み間違えたか。
 
いや、私が記入欄を間違えたのだった。
 
注文書の卵は、6個、10個、3キロなど5種類あり、いつもの10個の隣の欄は3キロ卵になっていた。記入するときに、きっと間違えて隣の欄に数量「1」と書いてしまったのだろう。
 
これまで注文でそんな間違えはしたことがなかったが、6個に間違えるのならともかく、3キロだなんて!
 
それにしても、それはよほど大家族でない限り、一般家庭で使う卵の量ではない。個人宅配で3キロ注文する人なんているのか?それが注文書にあること自体おかしい、と私の頭は抗議を申し立てた。
 
せめて返品をと考えたが、あいにく生鮮食品の返品はできないというルールがある。
 
家で恐る恐る箱を開けてみると、卵は2段になって、ぎっしり並んでいた。その数55個!
 
“OH MY GOD!!”
思わず叫んだ(なぜかこういう時には英語が出る😅)。
写真
2段を広げて55個を並べると、なかなか圧巻の光景になるのだが、それを呆然と眺めている自分の姿、これはもうコメディーで、自分の馬鹿さ加減に腹の底からわっはっはっと笑った。
 
宇宙のジョークか。いや、私が不注意だっただけ。
 
ひとしきり笑うと、さあ、ここからはこの卵をどう処理するかだ。
 
まずは賞味期間を調べた。あいコープの卵の賞味期間は2週間だが、ネットで調べてみると、夏以外なら1〜2ヶ月大丈夫とのことだった。通常、店の賞味期限の設定は、生卵を食することを考慮した日数らしい。
 
うちでは生卵は食べないが、こんなに長く大丈夫だとは思わなかった。
だとしても、1日2個のペースで1ヶ月近くかかってしまうし、そもそも冷蔵庫に入りきらない。
 
なんとしても、数を減らさなければならない。
 
ご近所のコープ仲間に事情を話すと、これは大変だと心配してくれて、1パック買ってくれた。隣の人も、私が必死だったので気の毒に思ってか、真剣に応対してくれた。
 
下の階に、引っ越してきたばかりの外国人の若い男性がいた。会ったこともなかったが、挨拶するには良いチャンスだった。
 
ドアベルを鳴らすと男性が出てきた。私は事情を話し、近所の歓迎として卵をもらって欲しいと頼んだ。男性はスペインから来たということで、一人暮らしだったが卵は使うので、10個を快くもらってくれた。
 
私たちはメールアドレスを交換し、私は部屋に戻ってから、彼に再度事情を文字にして説明し、受け取ってもらえたお礼メールを送った。
 
すると、彼から返信があり、そこにこう書いてあった。
「卵をありがとう。55個だなんて大変だねえ。それだけあれば、卵をかえしてヒナを一列に並べ、ひよこレースをさせれば楽しいんじゃない?はっはっは😁(笑いの絵文字まで入っていた)」
 
こっちは必死なのに、ひよこレース、はっはっはって・・・。
と思ったが、いやあ、この状況でこういうユーモアは、日本人にはなかなか出てこないだろう。むしろ、そんなことを言ったら相手に失礼だし、ひんしゅくを買う。さすがだ、と思ったし、こちらも苦笑した。憎めない。
 
はっはっは!という反応は、夫からも返ってきた。並べられた55個を見てニヤニヤし、楽しんでいる様子だった。私は真剣なのに、全く他人事!
 
翌朝、夫が母親とのオンライン中に卵事件の話をすると、義母は大笑いで、「いい案があるわ。ブロックパーティーを開いてオムレツパーティーしたら?」と言ったそうだ。
 
ブロックパーティーとは、近所の住民が野外に集って祝ったり交流を深めるために行うイベントのことだ。義母は80代だが、そんな斬新なアイデアを出すなんてすごい!と私は思った。
 
すぐに私の頭の中で、巨大な鉄板の上でオムレツを作って、みんなで食べているイメージが浮かんだ。
 
パーティーにしちゃえ!っというところがいかにもアメリカ的な発想で、アメリカでは大いにあり得るシーン。
 
実際、以前住んでいた場所ではそういうパーティーがあった。私の卵バージョンも簡単にイメージできる。
 
「Oh my god! 55個の卵が来ちゃった!○月○日オムレツブロックパーティーを××のガレージにて開催!飲み物は各自持参で」というようなチラシを作って近所のポストに投函したり、電柱に貼ったりしてみる。
 
当日ガレージにテーブルを設定すると、ポツポツと人が集まってくる。
 
「なになに?卵55個だって?一体何があったの?」と私や夫に話しかけてくる人。
「パイを焼いたわ」と持ってくる女性。
ビールのつまみにと、多めのスナックを抱えてやってくる男性。
赤ん坊を抱いてやってくる若い夫婦。
近所でなくても、たまたま通りがかって飛び込み参加する人。
結局誰でもウェルカム。
 
こっちでは挨拶程度だった隣の人たちと会話が弾んで相互理解が深まったり、あっちでは地域の問題点について議論するグループが出来上がったり、そのグループの後ろで近所の子供同士遊び始めたり。
 
実際、私もアメリカに住んでいた時に、そんなパーティーを見たことがある。何の集まりなのかわからないが、道を歩いていて通り過ぎようとしたら呼び止められて、飲み物を勧められたこともある。
 
そういった、やっていることが大雑把で、面白いことをやろう、さあ今を楽しもうよ!という雰囲気は、アメリカならではだなと、感じることが多々あった。
 
いや、アメリカだけではない。ひよこレースしたら?と言ったあのスペイン人男性のユーモアもその類に入る。
 
スペイン人といえば、私は湯布院でタッチドローイングのリトリートを開いて、熊本地震が起こり、被災したときのことを思い出す。参加者にスペイン人の若い男性がいたが、彼はミュージシャンでギタリストだった。
 
夜中に襲った地震の後もひっきりなしに余震が続き、私たち宿泊者数人は会場のダイニングホールに避難して朝まで一緒に過ごしたのだが、そのスペイン人男性は揺れに全く動じる様子もなく、そばでギターを弾き続けていた。
 
そのギターの音と軽快なリズムに、私たちはどれだけ平穏な心を保てただろう。彼には、弾き語りの地震の曲まで作ってしまうほどの余裕があり、そのおかげで私たちも、揺れている大地に寝転んでみたり、カメラに向かっておどけたポーズを取ってみたりするほどの余裕ができた。
 
そう、余裕なのだ。ユーモアなのだ。真面目になって緊張している時ほど、余裕が必要。
 
余裕はスペース。
 
そこには何もないけれど愛が充満している、と私は思う。人生は楽しむもの、人は愛すべき存在、生きることにもっとリラックスして良い、という緩く温かいものが詰まっている。
 
やれやれ55個の卵のエピソードから話が大きく逸れてしまったが、結局卵は無事に全て消費できた。
 
しかし、どうやら私はこの卵事件を書きたかったのではないようだ。文章を書いていくに従って、実は真面目すぎて躍起になっている自分に微笑みかけている、もう一人の自分が見えてきたことの方が大きい。

私のハートはこう言う。

生真面目だと窮屈なことが多い。余裕を持って生きたい。ざっくばらんにユーモア溢れる暮らしをしたい。人生は楽しむためにあるのだから。
 
「Oh my god! 55個の卵が来ちゃった!パーティーやるから来てよ〜。誰でもウェルカム」の掛け声で、人が集うような街に住みたい。
 
物もアイデアも自主的に持ち寄って、相互扶助がベースになるような、そんな場所がどんどん広がっていくといいね。
 
結局、私はそれが一番言いたかったことなのね。
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